こちらは日本登攀クラブ公式ホームページです
※更新情報※
2025/10/16 会員専用資料追加しました。
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2026.01.17-18 メンバー:山本・鈴木(拓)
昨年も同じメンバーで登ったことのある一ノ沢のアイスクライミングをしてきた。
昨年は、大滝を登った後の中滝を見て、「いつか登りたい」と考えていた。カナダで練習を積んだ今なら、と思い、今年結行することにした。しかし問題は時間、昨年のペースだと中滝を登っている途中か、下降中には暗くなってしまう。大滝上には幕営適地があるので、頑張って荷上げし、初日は大滝の上、二日目に中滝を登る計画にした。

大滝・下部〜中部
昨年と異なり、一ノ沢の沢経由で大滝取り付きに出た。尾根経由とそんなに時間が変わらないか、ちょっと早いぐらいだと思う。7時に歩き出して、11時すぎには取り付きにいた。昨年と同じぐらいの時間に取り付けそうだ。登ってみると、昨年は立っているように見えた大滝もかなり寝ているように感じた。氷結の具合もあるが、レベルアップしているに違いない。70mロープ一杯一杯で2ピッチと、あと10mぐらい伸ばして、終了。14時半に終わっていた。昨年より一時間弱も早かった。

中滝全景
夕方は、中滝を見ながら登攀ラインを考えたり、次の日の下山路の偵察を行ったりして過ごした。焚き火をして冷える夜をしのぎ、眠りについた。風が強く吹いていた。

中滝1P目をリードする鈴木
中滝は真ん中〜右側が滴っていて、とてもスクリューが入る感じではなかったので、なるべく左のラインをとりついた。硬いところを選んで登ると、フォローの山本に、「すごい強点をつくなぁ」と不満を言われる。バーティカル部分を残してバトンタッチ。

中滝2ピッチ目。
山本がバーティカル部分を登るも、かなり左のラインを登り、岩と氷のチムニーを使いつつ登った。木が邪魔でアックスが振りづらいが面白いライン。弱点主義の境地。登り終えると、なんとまだ滝が潜んでいた。トポには載っていないはずだ。記録は探していない。誰か登っているか?

小滝?
簡単そうで意外に難しくもない、普通の小滝を登った。これで一ノ沢コンプリートか?
120%の成果で大満足の山行になった。次の目標は、ワンデイで全ての滝を抜け、下山すること。果たして!?
武田、ほか1名
黄蓮谷右俣 2026/1/3〜1/4
行きたいと思いつつタイミングがなく行けなかった黄蓮谷を登った。
1日で抜けるつもりで3日早朝に黒戸尾根から六丈ノ沢からアプローチし、坊主の滝上部に出て遡行を開始した。
なんとなく危惧はしていたが、上部の滝はほとんど雪で埋まっており、ひたすら雪の中の沢登りとなる。

なかなかスピードを上げられず日暮れも近づいてきたため初日は奥千丈の滝付近にテントを張る。
風をしのげる岩陰を整地して寝たが、強風によるスノーシャワーのせいでテントが埋まりかけ、深夜0時頃から1時間毎に雪かきをする羽目になった。もちろんスコップなどないので、ジェットボイルの鍋とヘルメットで、、、

翌朝には風はやみ、2時間ほどのラッセルとハイマツ漕ぎで稜線に出る。せっかくなので頂上を往復して下山した。


刃渡り沢 2026/1/17
黄蓮谷が凍っていたのでまあ下の方も大丈夫だろうと考えたが、氷結状態はあまり良くなかった。
下部の滑滝はアックスを打ち込んだ亀裂から水が吹き出し、双翼の滝は繋がっておらず、、、

それでも上部の岩に囲まれていた滝はやや水っぽいが凍っており、左右の滝を登ったり側壁のクラックを使ったりと、充分に遊ぶことができた。

日程:2025.12.25 ~ 2026.01.05
メンバー:瀧川・山本・鈴木(拓)
数年来の夢であったカナダ・キャンモア周辺でのアイスクライミングトリップを昨年末から年始にかけて実施できた。運よくパートナーにも恵まれ、The Sorcererをはじめとした感動的なクライミングができた。中には駐車場から数分で取り付ける滝もあれば、3時間以上のアプローチ(ラッセルやルートファインディングを含む)を必要とする滝もあり、どの滝もWI4-5レベルのクライミングで総合力が試された。反省点もあるが、120%の力を出して2025年を駆け抜けることができた。記録として登った氷瀑の写真をここに残したいと思う。まだまだ登りたい滝はあります。また必ずこの地に戻ってきたいと思います。

Kemosabe WI4 105m 3P

Hers in Grotto Canyon & Mix route, 1P

Weeping Wall Right-Hand Side WI5 160m 5P

The Sorcerer WI5 190m 4P

Wicked Wanda WI4 55m 2P

Moonlight WI4 100m 2P
日程:2025年12月13日(土)
行程:美し森〜出合小屋〜上ノ権現沢〜夢幻沢大滝〜同ルート下降〜下山
メンバー:山本・鈴木(拓)
八ヶ岳の夢幻沢大滝を登ってきた。まだこんな滝がこんなところに眠っていたのか。昨年、権現バットレス登攀のウォームアップに、上ノ権現沢の支流にかかるこの滝を登ろうと試みた。ところが沢をつめていったところ、激ラッセルを強いられ、結局時間切れで敗退してしまった。ただこの滝は本流しか見ずにぼーっと歩いていると見逃してしまう。去年の記憶では、この滝が隠れている谷の手前まで来て、ラッセルが嫌になって小屋に戻った。時間切れで登れなかっただろうとはいえ、一目見ることはできた距離までは沢を詰められていたのだ。なんだよ〜とは思ったが、ともあれ、とても良いシーズンインを果たした。
アイスクライミング・ミックスクライミングは、これからがシーズン。この遊びは、最もフィジカルで、最もアドバンスで、そして最も、フェティッシュな遊びだ。今シーズンもバリバリ登るぞ!

日程:2025.9.22-9.23
行程:
1日目:谷川温泉〜金山沢出合
2日目:出合〜登攀〜エビス大黒の頭〜登山道下降〜谷川温泉
メンバー:山本・鈴木(拓)
筆者にとって今年最後の沢登りとなったエビス大黒沢。下山はリミットの20時をギリギリ越えない範囲だったものの、予定より大幅に遅れた。登攀はどの滝も難しく、高巻きにも手こずった。登る壁を間違えて一度撤退した箇所もあった。
初日は夜に入山して適地で幕営。明日に備えた。
登攀日、暗いうちからロープを出して登り始め、薄明るくなってきてから開けたスラブに出会った。

関門の滝。ここはフリーで超えた。快適なスラブ。左岸から登ろうとしたが、かなり悪い。少し戻って右岸から上がった。沢登り・フリーの山本が頼りになる。

日が登ってから最初のロープを出したクライミング。鈴木が1P目を登る。逆層がとにかく悪い。一箇所細かいホールドを掴んで乗っこすところが緊張したが、トーテムカムの黒が登れとせかした。
2P目は山本がリード。その後、二本足で歩ける場所へ降り立った。と思う。あまり覚えていない。ぐんぐん登ると、沢が開けた先に、どでかい大滝が現れた。

この滝は登らないが、右の岩壁を山本がトラバース気味に右上。ピトンを4枚程度、カムも使用して登り切った。一時間ぐらいかかった。ビレイ中は左の滝飛沫を浴びて寒かった。フォローで自分は登るが、一歩踏みだすたびにズルズルと足が沈んで滑る泥壁・・・クライミング的にはここが核心部っぽい。(山本は次のピッチの方が怖いと言っていた)。
2P目は鈴木がリード。再び滝の方角へ左トラバース。濡れたスラブのトラバースは怖いが慎重に。その後クラックや木登りを交えて灌木帯へ。ロープいっぱい伸ばしてビレイ解除。
フォローの山本を迎え、とにかく終わってよかったと言い合いながら、しばらく高巻き。一箇所、肩車で滝を越える場面もありつつ、懸垂下降で本流へ降りた。
最後の壁、右壁を登り出すも、どうも悪い。カムを決めてエイドを使って立ち上がって先を見渡してもめぼしいホールドはない。敗退か・・・ビバークも頭を過ったが、なんとか右岸から高巻きできそう。
検討通り、懸垂下降のち、右岸を高巻き。いつまで続くか分からない背丈以上の笹藪を掻き分け、本流の左俣に入った。右俣に抜ければ稜線まですぐなのだが・・・仕方ない。そのまま稜線に向かって歩く。尾根っぽいところに出てから、さらに標高を上げる。

ようやく安全地帯まで来られた。ただここからもわかりにくい下山路が続いた。GPSには助けられた。
もう2度とこの沢には来ないだろう。ただ、生きていることの大切さを噛み締めながら、帰路についた。名声はいらないので、小さな幸せを求めて、これからも沢登りを続けたい。

マリオネットが登れた・・
39年前に山野井君が初登した、岩と雪117号の表紙にもなったルートだ。
私は幸運にも、初登時のビレイをし、名付け親にもなれた。
しかし当時の私にはこのルートにトライする力は無く、その後長い間訪れることも無くなってしまった・・・
2016年に初めて触ったが、足元に見える空間にビビり、ボコボコにされてしまった・・
そして今年の1月2月に1回ずつ、9年ぶりにトライしたが、今度は寒さで身体が動かない・・
城ケ崎としてはシーズン真っ盛りなのだが、60代の老体には寒すぎる・・
「ここなら夏でも登れるんじゃない?」のY君の言葉に一念発起、頑張って通ってみることにする。
4月26日に再訪、しかし今度は上部の引き付けるムーブで左肘を痛め4ヶ月離れることになってしまった。
力でねじ伏せるのではなく、ヒネリや足さばきで登らないと、これはダメなんだ、と改めて痛感した。
怪我から回復した8月中旬からトライ再開、しかしさすがに暑い!
特にチムニー部は熱がこもり、レストしていても汗が噴き出してくる。
まもなく前期高齢者の身体には休養の時間が必要で、以降2週間おきのトライにした。
ボコボコにされ、私が年齢を言い訳に弱気の発言をすると、毎回ビレイに付き合ってくれるY君が「今だから面白いんじゃない!あきらめる事は、いつでもできる!」と励まし?の言葉・・
そうだ、やめることはいつでもできる、今この年齢で頑張るから面白いんだ!
ジムのパートナーのアドバイスのおかげもあり、本当に少しずつではあるが、進歩が感じられるようになってきた。
そして10月19日の1便目、出だしは少々バタバタしたが、落ち着いてレストポイントで休め、苦手だった上部も何とかノーテンでこなし終了点が目前に・・
だが終了点へのクリップが出来ない・・
前腕がパンパンになってしまい、片手での保持が出来ないのだ!
吐きそうになるのをこらえ、何度か左右の手を入れ替えてクリップ成功!
「テンション」のコールで下へ降り、Y君と恥ずかしながら握手をすると、39年前にタイムスリップしたような、とても幸せな瞬間を感じた・・・
おまけの話
39年前にY君が残した初登時の終了点のカラビナとスリングを回収しました。
回収便で登る際に「終了点のカラビナ、記念に持っていたら?」との言葉で、私の宝物にさせていただきました。」
カムは回収できなかったので残っていますが、少し見た目がスッキリしました・・
最後に故杉野保さんの言葉を引用します・・
「まずひとつ言えることは、このルートは理屈抜きにおもしろいということだ。それは、超立体的構造が要求するムーブの多様性でもあり、露出感の極めて高い爽快な核心部でもある。(中略)「チンケなルートとは、体の一部しか使わないルートのことだ」吉田和正氏の言葉を借りれば、これはまさに対極にあるルートと言ってもいい。(中略) これはもっと登られてもいい、いや登られるべきルートである。」
そして、「世のクライマーたちは登るべきルートを間違えているのかもしれない。」としめくくっている。
記 熊谷
9月の連休を利用して北鎌尾根を登った。
あまり登攀要素はなく、山歩きに近い山行だが(※アルパインクライミングをしている人間からすれば)とても良いルートだったのでここに書き記して残そうと思う。
日時:9/21~9/23
メンバー:鴨志田・土屋・武田(文責)

9/21
早朝沢渡駐車場へ集合し、上高地へ向かう。夜中のうちは大雨だったが、5時すぎには雨もやみ、そのタイミングでバスに乗り出発した。
汗だくになりながら水俣乗越を超え北鎌沢出合へ。時間も体力も余裕があったので北鎌のコルまで上がることにした。
前日の雨のせいで水量の多い沢をアプローチシューズでひたすら登ること2時間。同じタイミングで北鎌のコルで登ってきた2人組と場所を分け合い幕営した。
9/22
夜明けとともに行動開始。独標までは踏み跡を探しながら歩きやすい道を辿る。
独標は基部から右にトラバースする明瞭な踏み跡を歩いた。
独標を超えると遂に尾根の先に大槍が見えてくる。その後は岩稜帯が続き、慎重にルートを探りながら進む。
大槍は左側の登りやすい岩場を穂先を目指し高度を上げていくと、多くの登山者がいる山頂へたどり着いた。
時間もお昼ごろだったので横尾まで歩いた。
9/23
横尾〜上高地へ2時間強で下山。連休最終日の渋滞に巻き込まれる前に中央道を抜けることができた。
時間
9/21
6:00 上高地
12:00 水俣乗越
13:50 北鎌沢出合
16:00 北鎌のコル
9/22
5:30 北鎌のコル
7:00 独標基部
11:30 大槍山頂
16:00 横尾

2025.08.30 南八ヶ岳・雲稜ルート
メンバー: 瀧川・武田・鈴木(拓)
穂高屏風岩に引き続き、今度は南八ヶ岳大同心”雲稜ルート”を登ってきた。南八ヶ岳は冬季に何度も登ってきた。特に大同心稜はアプローチ等で活用し、登下降を繰り返してきた。大同心に関して言えば、大同心ルンゼから登り、回り込んで頭に立ったのが8年前。その後、南稜を登ったのが6年前。そしてしばらく空いて今年、北西稜を登った。雲稜ルートの存在は知っていたが敷居が高いように感じ、登るならばドライツーリングで登りたいと考えるも、実力がまだ及ぼないと避けてきた。八ヶ岳でクライミングをするなら有名なラインで言えば雲稜ルートぐらいしか残っておらず、ぜひ最後の課題として取り組みたい。だが今年も達成できず。まずは自信をつけるということと、ルートを確認しておけば、比較的敷居を下げられるという仮説のもと、今夏に予備山行として決行した。結果、次の冬に登る自信と、期待感を得ることができた。その記録をここに残したいと思う。
<前日>
登攀前日の夜、西船橋駅に集合。千葉県出身の3人組が諸々の事情で再び千葉県で会合した。車で山梨へ移動し、近場の野営地で1時ごろ野宿した。鈴木は不足する睡眠時間を確保するために、夕方仮眠をとっていた。それから数日前から湧き上がるモチベーションを抑えられず、かつ、ブラックチョコレートのカフェインで頭が冴える状況。全く眠れないまま、綺麗な山梨の夜空と二人の寝息を聞きながら、起床時間の3時を迎えた。
<登攀日>
赤岳山荘の駐車場へ、4時すぎに到着した。4時半ごろ、ヘッドランプをつけて徐々に歩き出す。雪のない北沢の登山道が新鮮だった。1時間程度で赤岳鉱泉へ到着し、小休止する。アイスキャンディーのない鉱泉も違和感があったが、空気がとても澄んでいて気持ちがいい。再び歩き始め、大同心稜を登る。1時間程度歩くと、大同心の西壁が見えてくる。取り付きから壁を見上げると、冬にはどこから登ればよいのか観察しても不安しかなかった岩壁も、次第と合理的なラインが見えてきた。7時ごろ、登攀開始。

<1P目>リード:瀧川
至る所に散らばるガバホールドを使い、豪快に直上する。一部ハングがあるが、ガバを使って気持ちよく超えることができた。ハング部分は、冬季は緊張するかもしれないが、手袋でもしっかりと掴めそうなホールドはあったし、スタンスも選べば問題ない。
<2P目>リード:瀧川
続くピッチも直上した。一箇所ステミングを使う微妙なパートがありつつ、同じくガバホールドを使って登る。スラビーな岩面にアイゼンはたてられないが、前爪を引っ掛けられそうなスタンスや、ガバの位置などを確認できたので、冬季でもこのパートは登れそうだ。
<3P目>リード:武田
このピッチから、最終ピッチめがけて右上気味に登り始める。ジェンガのように積み重なった浮石の多いラインを丁寧に登った。
<4P目>リード:武田
このピッチは大きく壁を見て右側にトラバースする。トラバースは何度やっても怖い。フォローも怖い。それでも楽しい気持ちが勝ち、最後のピッチへの期待感に胸を踊らせた。
<5P目>リード:鈴木
このパートは、フォローだが冬季に南稜を登った際、登攀している。ガバもスタンスも多く快適な直上ラインだが、当時はストレートに近いピッケル2本(リーシュ)のみで登り、猛烈にパンプした記憶がある。丁寧にガバを探し、落ち着いて足置きをすれば、十分に冬でもリードができる。このピッチは南に面しているので、東側に隠れていた太陽光が気持ちよく、頭にたどり着いた。フォローの2人も面白かったと口を揃えて登ってきた。
下山道中、クライマーに、早いですね、継続しないのですか、と声をかけられたが、こちらからすれば最暑の時間に登りたくないのだ。それでも睡眠時間を確保するという観点で言えば、遅く出た方がいいのだろうか。いや、先発がいると落石の危険もあるし、遭難リスクを下げるための最善は、しっかりと眠ったうえで、早く取りつくことだと思う。人が3人しかいない岩壁の中で、最高な時間を過ごすことができた。次回は冬に。
2025.8.13(水)-14(木) 雲、霧時々晴れ
メンバー: L瀧川・会外2名
2年前のリベンジとして槍の西稜を目指すが、結果として同じく中途半端になってしまった。微妙な記録だが最近若手がしっかり記録を残しているので自分も残そうと思う。
山の日前から雨が続いていたので、滝谷の増水を考え新穂高温泉側から上高地にアプローチを変更した。装備は残置無視を目標としキャメロット6番から0.2番、ロープは60mを用意
8月13日0300、仲間達と沢渡駐車場に集合して0420のタクシーを狙うも、先日までの豪雨によりタクシーとバスの出発が遅延する。不安がよぎるも意外と早く解消し、0545上高地を出発することが出来た。
少し歩くと不穏な看板を発見、左岸が梓川の増水のため通行止めらしい、氾濫しそうな梓川を眺めながら明神側から迂回し+2キロくらいの行程を歩く。まあ片道20kの中では誤差だろう。殺生ヒュッテ泊予定だったが、近い方が良いと思い計画変更、1245槍ヶ岳山荘到着
晴れない霧により周囲はびちゃびちゃ。風も強く爆風、ヘリポート側のアプローチ経路から西面の岩の状態を確認するもびちゃびちゃ。翌日の行動方針は3つ、①岩が乾くまで粘り、時間のバックストップを含め小槍からか曾孫槍からか選択②登頂して下山③下山、今の状況が続くなら③だが、とりあえず寝た。
14日0100、雨音に目が覚める。これはもう乾かないなと思いながら二度寝、0400に起きて飯食べてテント撤収、外は濃霧、0430に岩の状態を確認するがびちゃびちゃ、半ば諦めながらメンバーに0500から行動出来るように伝える。
風があるため渇き待ちを実施、すると一瞬霧が晴れ、槍の全貌が露わになる。初めて見るわけじゃないのに心が震えた。西面の岩の状態を確認しに行く。さっきよりかなり乾いていた。
0530登攀を決意。パーティーの技量、タイムリミット、岩の状態をグルグル考えて曾孫槍から登ることにする。デカいキャメを泣く泣くアプローチザックに残置し、0545山荘を出発。0645曾孫槍基部。登るにつれ風で岩がみるみる乾いていく。これ、登れたんじゃないか?何度も小槍をうらめしく振り返りながら0930登頂。1030山荘から下山を開始する。
途中徳沢でアイスを食べたりしながら1555上高地着。
帰り道、タクシー運転手さんに聞くと繁忙期はゲートが閉鎖するまで運行しているらしく、タイムリミットは1900くらいまで大丈夫だったらしい。
3度目の正直をいつ実施するか考えながら、かつ玄で夕食食べて帰りました。

2025.07.19-20 穂高岳・屏風岩〜雲稜ルート〜
メンバー: 山本・鈴木(拓)
<上高地〜横尾>
19日朝、眠れない高速バスが上高地に到着した。外に出ると、半袖では寒すぎる気温。そして眠い。というか、バスのなかも寒かったな?特に準備することもなく、おにぎりを一つ咥えて、横尾に向けて歩き出した。道中もとても涼しく、2時間強で到着。登山届を提出し、パトロールのお兄さんにやさしくアドバイスをいただいた。
<横尾〜屏風岩>
横尾から1ルンゼ押出と出合う岩小屋跡まで歩き、冷たい水の中を渡渉。初めてだったが道は分かりやすく、ルンゼを登って行くと急に開け、屏風岩東壁がよく見えた。ルンゼ脇の木陰になりそうな箇所に荷物を置いて、空身で偵察をしに行った。T4尾根末端部分には雪渓が残っていて、吹き下がる風が涼しい。雪渓上はほとんど歩かずにT4取り付きまで登ることができた。T4のラインもだいたい掴んだところで、荷物置き場に戻る。まだ10時台だが、特にできることもない(暑すぎて登る気力は起きない)ので、しばし日陰で昼寝をすることにした。数時間寝てから起き、日々の色々なこと(不安なことも、幸せなことも)に思いを馳せた。この時間があるから、山登りはやめられないと思う。ただ岩場を登るためだけに歩いてきたわけじゃない。

屏風岩東壁を見上げる。
<T4下部〜ビバーク>
夕方、日向が完全になくなったころ、のそのそと動き出し、とりあえずT4尾根始め2ピッチに一本ずつフィックスを張ることにした。1ピッチ目は山本がリードし、一本ロープを張った。フォローで鈴木が登り、そのまま2ピッチ目をリードしたのち、ロープをセットして懸垂下降で取り付きまで降りた。この日はルンゼ脇の適地でビバークし、次の日に備えた。
<雲稜ルート登攀>
深夜2時半、充分な時間眠ったとはいえ真っ暗闇の中、眠い目をこすりながら起床。朝飯を済ませて3時半に出発した。前日のフィックス設置は英断で、暗闇の中でも安全にT4下部2ピッチをユマーリングをすることで処理できた。その後は明瞭な踏み跡を辿り、一部クラックをチムニー的なムーブで登り、T4テラスに到着。薄明るくなる4時半ごろに、雲稜ルートに取り着いた。1P目は山本がリード、5.7とトポには書いてあるが、フォローの鈴木は一部残置スリング(?1mm程度の細引き)をつかみ、なんとかピナクルテラスへ。2P目は鈴木がリード。5.9という触れ込みだが、圧倒的悪さにA0を駆使してトラバース、扇岩があったテラスへ。そして核心のボルトラダーパートは、山本がリード。ヌンチャクをかけて掴むという動作を基本として、一部アブミも交えながら登った。古い支点に落ちられない恐怖と闘いながら、フォローも丁寧に時間をかけて登った。このピッチは1時間程度かかってしまった。4ピッチ目は鈴木がリード。このピッチも微妙なトラバースを含み、残置スリングに助けられてなんとか東壁ルンゼへ入り、ルンゼを少しあがったテラスまで。5P目は60mロープいっぱいに伸ばして草ボーボーのルンゼを山本がリード。終了点より残り数メートル上に設置されたラペルアンカーまで鈴木が登り、ジャスト8時ごろ懸垂下降を開始した。T4までスムーズに降りたが、壁には後続パーティとして7人ほどのクライマーが岩にかじりついていた。岩自体も暑くなる時間帯、すこし心配になったが、とりあえず自分らは安全圏(T4尾根取り付き)まで懸垂下降で降りた。途中、雪渓クーラーや、渡渉ポイントで涼みつつ、昼前には横尾を通って、上高地に下山した。

核心の3ピッチ目を山本が登る。
これまでフリークライミングにこだわって、自分でもフリーで登れる易しいグレーディングのルートを基本に登ってきた。そのため、エイドクライミングからは距離を置いて接してきた感がある。ただパートナーの希望で今回雲稜ルートに触れ、先人たちがボルトを大量に打ち込んでまで登ろうとした執念と、その巨人の肩の上に立つことで成立した今回のクライミングには感慨深いものを感じた。またしばらくは自分のスタイル(フリークライミング)にこだわって登山を続けるだろうが、この時の気持ちを忘れずに、いつか言語化できるように心に認めたいと思った。